導く月と花に誓う
あたしは下ろしてもらい、ただ、無言でみつめ合った。
「やめたやめた」
ふいに投げやりに軽く笑って言うと、今度は穏やかな風が吹き抜けて最初の姿へと、戻った。
「なんかいろいろしてやろうかと思ったけど、もういいや」
はあーあ、とわざとらしいため息をつき頭をガシガシ、と掻く。
…いや、その発言がすごい気になる。
……なに、いろいろって?
「…僕だって憎いよ、兄さんが。
でも反対に、たった一人の兄さんでもあるんだ」
「………」
「だから、出来れば諦めてほしかったし
これ以上、関わってほしくなかった」
…そっ、か…。
それで、あんな嫌がらせを……。
むしろかわいそう…
……あたしが。