導く月と花に誓う
そして。
「この調子なら、別に許してやってもいい」
発言は相変わらずツンデレだけど…
その表情は無邪気な子供のようだった。
………。
「―――健闘を、祈っとくよ」
まったく、気持ちがこもってない。
そして、気づけばその姿は跡形もなく、闇へと溶け込んでいったのだった。
これが本当の嵐の後ってヤツか。
でも……感謝はしとくよ。
弟くんの言葉で、やっと自分の気持ちがまとまったようなものだから。
……あの光景を見て、あたしは心のどこかで…
やっぱり怖がっていたんだ。
そんなこと、一切なかったのに。
怖がる必要なんて、これっぽっちもなかったのに…。