導く月と花に誓う
護りたいものは、
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遠い、昔の夢を見た気がした。
内容はどうしても思い出せないけど、すごく幸せで、温かかったのだけは鮮烈に覚えている。
目を覚ますと、簡素な天井が映し出されてきた。
ボケー、と起き上がり、もはや無の状態で目の前の壁を見つめていると。
コン、コン、とノック音が聞こえてきた。
それから、見慣れた光景が目に入ってくる。
「……起きていられましたか」
そう言って、その人はゆっくりあたしの前まできて、膝をつく。
「………うん」
まだ、夢うつつの脳でその返答があたしにとって、いっぱいいっぱいだった。
「………」
「………」
それから何を話すとかもなくただただ無言になる。