導く月と花に誓う
―――その瞬間。
あたしの頭に、すごい勢いで何かが、流れ込んできた。
それは、恐らく…
ずっと曖昧になっていた孤燈の記憶の欠片だ。
子供のころの記憶。
独りぼっちになった時の記憶。
おじいちゃんとの出会い、と別れた時の、記憶。
すべてが絶望と化した時の記憶。
そして、あたしと出逢った時の記憶。
それは、川が決壊したかのように一気に、流れていく。
……理解した。
『少し、貴方にはキツイかもしれません……』
その意味が。
…今、わかった。
確かに、これは…
あたしにはかなり、キツイ。