導く月と花に誓う



───────

─────


───





「…ま、…千秋さま、」




上から降ってきた声であたしは勢いよく目を開けた。







「……お加減はいかがでしょう、か…」





途中で詰まった孤燈が気になって、小首を傾げながら視線を向ける。







「……なぜ、泣いているのです?」


「…え…?」





そこで、初めてあたしが泣いてる、という事態に気付いた。






「ご、…ごめ…っ。
違うの、すぐ止める…っ」






自覚した途端ポロポロ、と流れ出る涙をもはや気合いで止めようと試みる。





でも、止めようとすればするほど

涙は次から次へと流れ出てくる。












< 247 / 378 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop