導く月と花に誓う
考えても仕方ないのでまぁ、いっか。と思いながらあたしもバスに乗り、この日は宿へ向けて出発。
「ねぇ、それ一つちょうだい」
「じゃあ、そっちもちょうだいー」
「あ、ねぇ! あの寺なんだっけ?」
バスの中はこれでもか、ってくらいガヤガヤ、と騒がしい。
と、あたしの班に目を向けて見ると…。
「あ、やった。あがりー」
「ちょ、革命したの誰!?」
「脱、貧民!」
風景そっちのけで
大貧民(大富豪)中でした。
……なにをやってんだ。バスの中で…。
「あれ、千秋やんないの?」
と、あたしの隣に座る飛鳥がポッキーをポリポリ、と食べながらあたしの方を向いてきた。