導く月と花に誓う
それから数時間後、ようやくあたし達は無事に宿に到着。
「じゃあ、荷物置いたら飛鳥達の部屋集合ね」
「おけー」
そんなわけで一時解散となり、あたし達はそれぞれの部屋へ向かう。
ちなみに、あたしは飛鳥と同じ部屋。
「えーと…、あたし達は
2315号室だってー」
「てことは、三階かー…」
あたし達はスーツケースを引きずりながら、しおりに目を通す。
それから、階段に差し掛かった時。
「あ、鍵もらってくんの忘れた」
…え、気づくの、遅くない?
「千秋、悪いけど…
あたしの荷物部屋まで運んでてくれる?」
「しょうがないなー…」
はぁ、とため息混じりで返すと、飛鳥は、ごめーん、と言いながら先ほど通った道のりを戻っていった。