導く月と花に誓う
あれ?と勢いよく、そこへ視線を向けるとあるはずがない姿がそこにあって。
「……こと、…っ」
思わず叫びそうになるのを、しっ、と、塞ぐようにあたしの唇に、人差し指が当てられた。
それから、あたしは目を丸くしながら囁き声で、問いかける。
「……ど、どうしてここに…」
「言いましたでしょう。
貴方を護ることが、私の役目だと」
そう、あたしの目線に合わせるように屈み、微笑んで言った。
「貴方が困った時、私は何時だって
どこにいても、駆けつけるんです」
なんて、甘いことをケロッ、と言うから。
あたしはいつも、頭がどうにかなりそうになるんだ。
やっぱり、腹黒い。