導く月と花に誓う
でも、数時間ぶりに会えたあたしは嬉しくて、仕方ない。
そう思うと、この旅行に孤燈がついてこなかったとしたら、あたしは今頃どうしてたんだろう、と、情けないけど、少し不安になった。
「……そんな顔をなさらないで下さい」
なんて、やっぱり、あたしの考えなんてお見通しらしい。
悔しいけど、認めるしかない。
「――…私はいつだって、貴方のお側にいますから」
その言葉と、最上段まで登ったのが、同時に重なる。
その瞬間、飛鳥のキャリーだけが残り人の気配は、綺麗に消えた。
初めから、あたし一人だったかのように…。
……気まぐれなのにも、ほどがある。