導く月と花に誓う
―――ガコン…ッ。
落下音を響かせて落ちてきたソレを、あたしは小脇に挟む。
夕食、入浴を終えたあたし達は楽しく談笑中。
ガールズトークに花を咲かせていたりする。
……なんだけど、じゃんけんで見事に負けたあたしは、飲み物係になってしまったのである。
出てきた飲み物を両手で抱えながら部屋へ戻ろうと踵を返した時。
「あ、木村くん」
「よぉ、黒瀬」
まさかの木村くんとばったり、出会してた。
「なんか、久しぶりだね」
「そうだな」
ほんわか、と言った木村くんも自販機の前に立ち、ボタンを押す。
再び落下音が響き、木村くんもそれを、平然と取った。