導く月と花に誓う
「あ、ちーあきー!!」
キョロ、とその姿を探すと、いつもの声があたしへと届いてくる。
「飛鳥!ごめん、待った?」
急いであたしは、そこへ駆け寄る。
そして、案の定、やっぱり…
隣には高尾宏樹もいるわけで。
しかもすごい顔でこっちを見ていた。
「うんや、まったくっ。
んじゃ、いこいこ!」
飛鳥は笑いながら、あたしの手を引っ張っていく。
飛鳥のこういうところがあたしは憧れるところだと思う。
今まで見てきた人は、例え親友でも…
彼氏の方を最優先していた。
まぁ、それが当たり前なんだと思うけど…
…いや、でも一方は気に食わないらしい。
睨んでいる睨んでる…。
後ろからあたしを…。