導く月と花に誓う
―――修学旅行も終盤、3日目となった。
そして、修学旅行の醍醐味――自由行動。
みんなは今日もテンション高く、いろんなところをまわっていく。
あたしはというと…
黒い影を背負っているかのように、みんなの後をついていく。
……モヤモヤ、モヤモヤ。
真っ黒いモノが、あたしの頭の中を侵食していく。
すると、突然むにっ、と頬になんか刺さってきた。
いや、貫通はしてないよ。さすがに。
びっくりして、そこに視線を向けると。
「せっかくの自由行動なのに、何湿気た顔してんのよ」
そう言いながら、飛鳥が指先をぐりぐりさせてきた。