導く月と花に誓う
とりあえず、あたしは何も気付かないふりをする。
それからしばらく飛鳥と買い物を楽しんで、ご飯を食べることにした。
ショッピングモールの中にはいろんな種類の食べ物がある。
ファーストフードだったりイタリアンだったり和洋折衷、すべてが揃っている。
…まぁ、あたしもそこまで悪じゃない。
だから、お昼くらいは…
と思い、二人だけにしてあげた。
さて、と…何を食べよう…。
うーん、とメニュー看板を見ながら迷っていた時。
「ねぇー、さっきの人見た!?
ちょーかっこ良かったくない!?」
「だよね!
スーツとか着ちゃってさー!」
と、女の子達が、キャーキャー、と騒ぎながら、あたしの横を通過していった。
その子達だけじゃない。
他の人たちも口々に、そう口にしていて。
…スーツ……?
…いや、まさかね…
うん。ないない。…たぶん。