導く月と花に誓う
解き放たれた姿
残りが少なくなると、それはあっという間で…
それはそれで、なんとなく、寂しくなるものだ。
室内からは、くーくー、と心地よい寝息が響いてくる。
時に、寝言が聞こえるが。
そんなことは別に気にならないのにあたしは、眠れなかった。
ボーッとしながら、真っ正面の天井を見つめる。
思い出すのは、あの時突飛ばしてしまった狐燈の、悲しげな表情。
あんな事、しなきゃ良かった…。
はぁ、と息をつき、寝返りを打つ。
……モヤモヤモヤ。
やっぱり、黒い物体は消えることはない。
あたしは、バッ、と起き上がり、なるべく音を立てないように、部屋を出た。