導く月と花に誓う



そして、思う存分笑ったあとに。




「本来謝るのは、私の方です」




静かに、こちらを向いてきた。






……説得力ねぇ…。






「嫉妬、していたんです。
…貴方と楽しそうに話す、人達に」




恥ずかしながら、と苦笑気味に、あたしから視線を外して紡ぐ。





「……それ故、です」








…もしかして、告白の場面を…

見られてた…?





ああ…。

だから、あの時。





『貴方はもう少し、ご自身のことを理解してください』




なんて、言ったのか。






「…ほんと、嫉妬深いね」


「……?」


「あたしには、孤燈だけだから…。

だから、そんな心配しないで」








…とか。






…なんて。



なんて…鳥肌たつ台詞を…。












< 284 / 378 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop