導く月と花に誓う
自分で言っておいて、まるで顔から火が出るように、真っ赤に染まっていくのが分かる。
あたし、なんてことを口走って…っ
ひいぃ、と顔を両手で覆う。
穴があったら、ひたすら入りたい。
なんて、また思う羽目になる。
そんなあたしを知ってか、知らずか目の前の妖孤は、あたしの頬から両手を剥がして…。
代わりに彼の両手を添えてきた。
「…貴方には、勝てませんね」
ポソリ、と呟いて…小さく笑う。
そして…。
ゆっくり、ゆっくり近づいてきて。
「私も、如何なる時だって
いつも貴方だけを…見ています」
……ストーカー…?
ポツリ、と思った途端に、あたしの唇は塞がれた。
それは、あの時のようなモノではなくて、本当に優しく、包みこむようなモノで、あたしはなぜかそれに…。
とてつもない哀愁を感じて、…泣きたくなった。