導く月と花に誓う
「……そっ、か」
「…はい?」
「ううん、なんでもない…」
そう言って、あたしは京都の夜空を仰いで、そこに浮かぶ満天の星を見た。
―――ねぇ、狐燈。
貴方はいつから、あたしを。
あたしのことを、影で見守っていてくれたの。
どれだけ、あたしのことを、探し続けていてくれたの。
…こんな、何もないあたしのことを…。
――……ああ、そうか。
もしかしたら、最初から狐燈は気づいていたのかもしれない。
だから、あたしが"独り"にならないように。
そう、思わないように…─────。