導く月と花に誓う
「…まぁ、なんとかなるよ。
なんとかするから…」
うん、と頷いて、ニッコリ、笑ってみせた。
そんなあたしに、一瞬拍子抜けしたような瞳を向けて。
「……千秋さま、」
「…え、…わっ!?」
あたしの名前が呼ばれたかと思えば、いつの間にか、剥がされ向き合わされてしまっていた。
「そろそろ、限界なのですが…」
「…は? え?」
今度はあたしがハテナまみれになる番らしい。
どんどん迫ってくる狐燈の顔に、あたしの顔が急速に赤くなるのがわかる。
そして、あたし達の距離があと一歩のところで迫った時。
ふい、と狐燈の顔が離れ、ちょうど良い距離へ変わった。
「…それでも、隠れたつもりですか?」
…………は?