導く月と花に誓う


「…まぁ、なんとかなるよ。

なんとかするから…」



うん、と頷いて、ニッコリ、笑ってみせた。




そんなあたしに、一瞬拍子抜けしたような瞳を向けて。




「……千秋さま、」


「…え、…わっ!?」




あたしの名前が呼ばれたかと思えば、いつの間にか、剥がされ向き合わされてしまっていた。





「そろそろ、限界なのですが…」


「…は? え?」




今度はあたしがハテナまみれになる番らしい。




どんどん迫ってくる狐燈の顔に、あたしの顔が急速に赤くなるのがわかる。




そして、あたし達の距離があと一歩のところで迫った時。




ふい、と狐燈の顔が離れ、ちょうど良い距離へ変わった。










「…それでも、隠れたつもりですか?」











…………は?











< 295 / 378 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop