導く月と花に誓う



その言葉であたしの頭はさらに、ハテナまみれになっていく。






すると。




「なによ、久しぶりの里帰りなんだからいいじゃない!」





かなり聞き慣れた声と、よく知った二つの影が現れた。





「…雪華さんに、鬼藍さん…っ」



なんでここに!?、と続けると。





「だってだって、狐燈だけ京都に行くだなんて!」


ずるいじゃない!



と、叫んだ雪華さんに、ほぼ、八割見当がついた。





「いや、あの…。
…勝手についてきただけで…」


「そりゃあ、恋人同士なんだからついていくのはわかるけど!」


「いえ、あの、だから…」


「たまにはあたし達も一緒でもいいじゃない! 水臭い!」







……駄目だ。


もう、聞いちゃいない…。











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