導く月と花に誓う
とりあえず、言いあう二人は放っておこう。
それにしても…。
「どうして、あたし達が京都にいることを知っているんですか?」
「そんなの、大きな荷物を持った千秋ちゃんのあとを、ついてきたからに決まってるじゃない!」
────もはや、こっちの方が悪徳だった…っ!
…そうか。
大量の荷物を持ったあたしを見て不審に思い。
あたしに着いてきた狐燈に理由を聞いたところ…
差し詰め、真相に行き着いた、と。
───脱力。
はぁ、と小さくため息をつく。
「千秋ちゃん」
すると、先ほどの雪華さんはどこへ行ってしまったんだろう、と思わせるほど真剣な声であたしの名前を呼んできた。