導く月と花に誓う


もうシカトしよう。


…うん、シカトシカト。



何も聞こえない、何も見えない。




なんて、知らないふりをしていた瞬間、あたしの身体が、突然ぐい、と引き寄せられたと思うと。




「それじゃあどうだ。
こいつに、お前のこっぱずかしい過去を暴露してやる」


「………え」


「では、そのこっぱずかしい過去の
貴方さまの写真を撒き散らしましょうか」





…………。




ケンカするほど仲がいいんだろうな。


……きっと…。





はぁ、とため息をついてそんなことを思った時。



ごつん、となんとも痛々しい音が真上で聞こえてきた。





ん?と見上げてみれば、雪華さんが鬼野郎にげんこつを喰らわしていた。






……恐るべし…






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