導く月と花に誓う



あ、と思い、朝食中の騒がしい辺りを見渡すと。




少し遠くで数人の男子学生と朝食を食べていた佐川くんを見つけた。





そして、次の瞬間には、なぜかバッチリ、と視線が絡まって。




…にも関わらず、彼はニッ、と笑うとあたしに向かって軽く手を振る。




その笑顔は、まるで小学生だ。




それを直で見てしまったあたしはバッ、と視線を元へ戻す。





しかし心臓はドクン、ドクン、と高速に動き顔も火が出そうなほど熱くなった。








「───だよ! 千秋、どう思う!?」



そんな中、振られた言葉。




「──え?」


「だから、慎のやつさ!
あたしがいるってのに、他の女子の部屋に行ったんだよ!!」


「…は、いつ!?」


「昨日」






………。












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