導く月と花に誓う
─────その後。
宿を出発したあたし達は、最後の観光へ来ていた。
お寺の中は、大量の仏像で埋め尽くされている。
「ねぇ、あれ飛鳥に似てる」
「えー、どれどれ?
…似てないよっ!」
寺に来ても大はしゃぎなのは変わらない。
さすがに、他のみんなは興味なさそうに境内をめぐっている。
まぁ…さすがにずっとお寺巡りって
結構つまんないもん…ね…。
あたしは好きだけど。
…にしても、あたしの周りの人達のテンションの高さの変わらないようと言ったら…
なんで落ちないんだろう…と、それこそ疑問だ。
なんて、思った時。
目の前で楽しそうに話しながら境内を見学している
───佐川君を、見つけた。