導く月と花に誓う
「え、と…」
んー、と一体何から先に言えばいいかわからないあたしは言葉に迷う。
「その、ありがとう…。
…すごく、嬉しかった…です」
「…うん」
「でも、ごめんなさい…。
今のあたしじゃ、佐川くんと付き合う資格は、ないです」
同時にペコリ、と頭を下げた。
「……そっか」
そう言って、瞳を伏せた佐川くんにあたしの心がズキン、と痛んで、つられてあたしも、瞳を伏せた。
「ねぇ、黒瀬さん」
「……え?」
「俺さ、コクった日から今日まですげー楽しかった」
「……え、と…。 …うん…?」
「俺のこと、知ってくれたことで目とか合うの嬉しかったし…。
だから、とりあえず友達からってことで」
「……はぁ…」
なんて、爽やかな笑顔を見せる佐川くんに、あたしはただポカン、とする。