導く月と花に誓う
プァー、とエンジン音を響かせながら、心地いい振動を与えてくる。
新幹線の中は、起きている人もいれば寝ている人が大半で。
なんだかんだ、長いと思っていた旅行は、あっという間に終わってしまった。
「…ちーあきっ」
ぼーっ、と窓の外を見ていると、飛鳥が小声で話しかけてくる。
そう。
隣では、みんなが夢の住人化しているから。
「…食べよ食べよ」
そう言って、あたしに見せてきたのは、八つ橋。
ちなみにいろんな味がある、八個入り。
「…え、でもお土産なんじゃないの?」
「帰りにみんなで食べようと思って買っておいたのよ」
にひひ、と笑いながらかさかさ、と袋を開ける。
そして、二人して、もぐもぐ。