導く月と花に誓う



「それは、千秋ちゃんからも切ることはできないし。

ましてや、あいつからも切ることはできないの」




…ああ、そうか。

やっとわかった。



雪華さんの言いたいことが。






それはきっと、こういうことだろう。







───絆という鎖で繋がれた二人は…

いくら離れたとしても、必ず邂逅できる、と。






…ほんと、何も教えてくれないんだから。





それでも、あたしの瞳からは滝のように涙が流れ続ける。





同時に心の中では、これはあたしに課せられた試練、なのかもしれないと感じていた。




以前、猫鈴さんがあたしに言った。



『───あとは、千秋さん……
貴方しだいです』





あの言葉の意味が、これなのかもしれない。











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