導く月と花に誓う
時のとまった部屋とネジ
「───それで、あたしに頼みって?」
「…あのさ、おじいちゃんの部屋を見せてもらいたいんだけど…」
「別にいいけれど…。なんで…?」
訝しそうな表情をあたしに向けた雅に、「実は──」と、ここ最近の出来事を説明した。
一通り話し終えたあたしに、雅は腕を組みながら。
「…なるほどね。 そういうわけ」
と、笑った。
「───それなら、仕方ないわね。
だって、おじいちゃんの≪ココロ≫なんだもの」
…ココロ…?
「…雅…。
それ、どういう……!」
「これ、部屋の鍵。
終わったら、呼んで」
そう、雅はあたしの言葉を遮り、鍵を差し出すと、踵を返した。