導く月と花に誓う



そんな、たくさんの写真の中。


違和感を感じる写真を、何枚か見つけた。





そこには。




確実に誰かが写っていたはずなのに笑っているおじいちゃん、一人しか写っていなかった。




しばらく、それらの写真を眺めていて、あ…、と気がついた。







おじいちゃんと並んでいたのは、きっと。







───狐燈だ。








おそらく、契約が解消されたことで、昔(おじいちゃんと契約していた頃)の狐燈は、つまり消えたのだろう。







だから、写真からも消えたのだ。





「……ごめんなさい、」




だってそれは、同時に。



おじいちゃんとの時間は、なかったことになってしまう。













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