導く月と花に誓う
──19XX.7.XX
季節は、すっかり夏へ
移り変わっていた。
庭に咲く向日葵は、太陽の光を浴びて
日に日に大きく育つ。
それを、窓から眺めることが
日課となっていた。
狐燈が来て、1ヶ月。
少しずつわが家の環境に
慣れつつあった。
狐燈は、私の専属として
よく働くようになった。
同時に、少しずつ私と、
話してくれるようにもなった。
それが、とても嬉しかった。
やつは強い。
私にはない、
綺麗な心を持っている。
それを、どれだけ
守れたらいいか───。
記憶が……
本当の記憶が光の粒になって宙を舞う。
昔から、おじいちゃんはあたしのお手本で、憧れだった。
ずっとおじいちゃんのようになりたかった……。
あたしは、ページを捲る手を少し早める。