導く月と花に誓う
そして、あたしはその口を開く。
「───狐燈…、あなたは…
貴方であって、貴方でなかったんだね」
「おい、娘…」
「貴方には、もう一つの魂が宿っていた」
それが。
───貴方のお父さんの魂だ。
「貴方のお母さんは知っていた。
……知っていた、というより当事者かな…。
だって、その魂を貴方の中に入れたのは、誰でもない…
貴方の、お母さんなのだから…。
…だから、あの言葉を残したの」
『―――…さない。…赦さない。
私は、決して御前を赦さない。
…必ず…。
───必ず、幸せになって。
貴方を理解してくれる人に、
出逢なければ……』
「それに、おじいちゃんも」
───知ってたよ。
『──…孤燈、お前は、お前でいい。
それを、忘れるな。
そこから逃げない勇気を、持て』
だからこそ、その言葉を残した。