導く月と花に誓う
「しかし、私は…
決して父を恨んではいません」
「…狐燈」
「すべては、私の未熟さが招いた……」
「──狐燈!」
話し続ける狐燈に、堪えきれなくなったあたしは、彼の頬に両手を当てて、その言葉を無理やり遮った。
「狐燈、忘れないで…。
貴方は、独りじゃないってことを」
いつだって、貴方にはたくさんの人がそばにいたということを。
「……そうですね」
「誰も、誰一人狐燈を恨んでなんかない。
だから、すべて…
全部、自分の責任にしないで…」
それが、あたしの思い。
「千秋さま、」
「……?」
「愛しています」
……ん?