導く月と花に誓う
駅からまっすぐ話しながら歩いてきたあたし達だが。
あたしはふと、あることに気がついて。
「飛鳥、あたしちょっと寄りたいとこがあるから先に行ってて」
「はいよー!
じゃあ、あとでね!
いつもの場所にいるから」
「うん、すぐ行く!」
ごめんねを表すために、パン、と両手を合わせ、飛鳥に向かって手を振った。
そして、あたしは急いで、ある場所へ向かった。
着いてみれば、そこは変わらない姿で、静かに、誰にも邪魔されることなく時を刻んでいた。
「…懐かしいな…」
なんて呟いて。
よいしょ、とその大木をよじ登る。
そこからの景色は、あの時とは少し変わっていたけれど、そのままの景色だった。
すると。