導く月と花に誓う



予鈴とともに、みんなは

授業準備へと入る。





「千秋、千秋」




そんな中、ツンツン、と後ろのヤツが

あたしの背中をつっついてきて。





「…なに?」


「今年の夏ははしゃぎまくろうね!」




まるで語尾に星がつきそうなテンションで、飛鳥が笑顔で言い放つ。




まぁ、予想はしているし

あたしもそのつもりだ。



断る理由はない。






「望むとこ、ろ……」




と、あたしもそれに答えようとした時…






――き、…千秋さま、…




どこかで聞いたことのある声がふ、と頭をかすめた。






…この声、どこかで…


あ、…そうだ。



──…夢だ。




でも、なんであたしの名前…?





ハッ、と我に返った時には、すでに飛鳥が訝しげにあたしを見ていて。






「…もしかして具合悪い…?」

「う、ううん。大丈夫大丈夫」




あはは、と苦笑いでそう言うと、予鈴が鳴り響き、授業が始まった。







一体、あの声は…なんなんだろう…












< 4 / 378 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop