導く月と花に誓う



…また妖怪…




「そう、千秋ちゃんね。

……で?あんたはまだ、根に持ってるわけ?」



あたしに微笑んだあと、キッ、と刺々しく自称雪女の雪華さんは鬼野郎の方を向いて言った。



それを言われた鬼野郎はそっぽを向いて、腕を組む。




「ねぇ、根に持つって…」



と、狐燈に問いかけたつもりだったのだが…



前にいた雪華さんが、くるり、と体勢を変えて、あたしと向き合ってきた。



「そうなのよ!
昔、鬼藍の油揚げを狐燈が食べちゃってねー」



あー…

狐って、油揚げ好きだもんね…


って違う!




「若気のいたりですよ」




しかもこっちは反省ゼロッ!



「この腹黒狐め。

…そうだな。
今こそ食べ物の恨みを、ここではらすのもいいな」




そう言って、鬼野郎は一瞬にして鬼へと変化して。



狐燈も、便乗するように姿を変える。




あーもー…


この二人は…っ












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