導く月と花に誓う
「「いい加減にしろーー!!!」」
同時に叫んだあたしと雪華さんの声が部屋いっぱいに響いた。
すると狐燈と鬼野郎の動きが、面白いほどにピタリ、と止まる。
……で、二人の表情…
いや、鬼野郎の表情だけが
だんだん青ざめていく。
狐燈はポーカーフェイスだ。
ん?とあたしも不思議に思いながら、二人の視線の先である、雪華さんの方を見てみると。
ゴオォ…と、吹雪を吹かせながらちょっとだけ浮かんでいる雪華さんの姿があった。
見ると、部屋の中が次第に氷つき始めている。
…うわっ!
「…あ〜ん〜た〜ら〜、
喧嘩するなら表でしなさいーっ!」
部屋の中、しかも夏真っ只中。
それを、…季節を、まるで無視するかのように部屋に真冬が到来した。