導く月と花に誓う
目の先には、言い合う二人の妖怪。
…はたして仲は…、良いんだろうか…
うーん、と小首を傾げながら二人を見ているあたしに、狐燈はふっ、と笑う。
…でも…
一瞬、ほんの一瞬…
狐燈の表情に影がかかるのをあたしは、見逃さなかった。
とても、哀しそうな……瞳。
…が、その表情は
すぐにもとに戻ってまう。
…あれ、気のせい…?
と思い、また前の二人に視線を向ける。
相変わらず、言い合いはやむことがなかった。
確かに、これはこれで仲はいいのかも……?
「あーもー、この分からず屋!
狐燈!塩持ってきて、塩!」
「はい、雪華さま」
返事をしながら、スッと差し出す壺状の入れ物。
…えっ、はやっ
いつのまに…
そして、雪華さんは
鬼野郎に向かって塩をまく。
やっぱり、よくわかんないな…