導く月と花に誓う
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空一面に広がる蒼色に所々ちりばめられた白い雲。
「あー、天気いいねー」
飛鳥は仰け反るように後ろへ腕をつき、そして、青くどこまでも透き通る空を逆さまに映す。
夏休みも中盤。
あたし達は近くの神社にいた。
「…うん」
一方あたしも石段に座り、曲げた膝に腕を立たせながら、掌に顎を乗せて返事をする。
そよそよ、と木々を揺らして
夏の風は通りすぎていく。
「夏休みって中盤になってくるとさ、
なーんか微妙だよねー」
「……うん」
「ねぇ、」
「……うん」
「千秋?」
「……うん」
その瞬間。
パンッとあたしの目の前で叩かれる手。
「……っ!!」
もちろんビックリするわけで…
吃驚した顔を飛鳥に向けると、 逆に訝しげな表情を向けられた。