導く月と花に誓う
「…大丈夫?もしや夏休みボケ?」
「…んー、まあ、そんな感じー…」
何かきっかけがあれば…
と思うけど、きっかけゼロ。
考えれば考えるほど、わからなくなるばかりで、もはやどうしよう状態。
あたしは、どうすればいいのか。
と、そんなあたしを見ていた飛鳥が、勢いよく立ち上がったと思えば。
「よし、千秋!
アイス食べ行こ!アイス!」
あたしの腕を掴み、一気に走り出した。
「夏休みボケにはアイスー!」
なんて叫びながら、あたし達は駄菓子屋へ全力疾走した。
当の駄菓子屋は、神社を出て徒歩5分くらいのところにある。
そして。
「さぁ、千秋。選びなさい。
今日はあたしの奢りにしとくから」
そう言って、飛鳥は腕を組み仁王立ちしながらふん、とどや顔を向けてくる。
それがあまりにも可笑しくて、ついつい、笑ってしまった。