導く月と花に誓う



「…大丈夫?もしや夏休みボケ?」


「…んー、まあ、そんな感じー…」




何かきっかけがあれば…

と思うけど、きっかけゼロ。



考えれば考えるほど、わからなくなるばかりで、もはやどうしよう状態。



あたしは、どうすればいいのか。




と、そんなあたしを見ていた飛鳥が、勢いよく立ち上がったと思えば。




「よし、千秋!
アイス食べ行こ!アイス!」



あたしの腕を掴み、一気に走り出した。




「夏休みボケにはアイスー!」



なんて叫びながら、あたし達は駄菓子屋へ全力疾走した。





当の駄菓子屋は、神社を出て徒歩5分くらいのところにある。




そして。



「さぁ、千秋。選びなさい。
今日はあたしの奢りにしとくから」



そう言って、飛鳥は腕を組み仁王立ちしながらふん、とどや顔を向けてくる。





それがあまりにも可笑しくて、ついつい、笑ってしまった。













< 47 / 378 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop