導く月と花に誓う



それから二人でアイスを食べて夕方に近くなってきた頃…


お互い、帰路へとついた。




すると、ポケットに入っていた携帯がブルブル、と震えだす。




あたしはすぐに携帯を取り出して通話ボタンを押すと、耳に当てた。





「…もしもし?」


《千秋さま。
すみません…先ほどは…》




電話の相手は、狐燈だった。



実はついさっき…。


飛鳥とすぐに別れた後に電話をしたんだけど、出なかったんだ。




「あー、いいよいいよ。
ただ、…油揚げ…いるかなー、て
思っただけだから」


《………》




あれ…?


携帯を耳から離し、電波を見ると


…三本……あれー?




「…もしもーし?」


《…はい。ぜひお願いします。
私もすぐにお迎えに行きますので》


「そこまでしなくていいから…っ」





と、前の方に目を向けた時だった。




あたしの胸が、ドクリ、と嫌な音を立てて高鳴った。











< 48 / 378 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop