導く月と花に誓う
それから二人でアイスを食べて夕方に近くなってきた頃…
お互い、帰路へとついた。
すると、ポケットに入っていた携帯がブルブル、と震えだす。
あたしはすぐに携帯を取り出して通話ボタンを押すと、耳に当てた。
「…もしもし?」
《千秋さま。
すみません…先ほどは…》
電話の相手は、狐燈だった。
実はついさっき…。
飛鳥とすぐに別れた後に電話をしたんだけど、出なかったんだ。
「あー、いいよいいよ。
ただ、…油揚げ…いるかなー、て
思っただけだから」
《………》
あれ…?
携帯を耳から離し、電波を見ると
…三本……あれー?
「…もしもーし?」
《…はい。ぜひお願いします。
私もすぐにお迎えに行きますので》
「そこまでしなくていいから…っ」
と、前の方に目を向けた時だった。
あたしの胸が、ドクリ、と嫌な音を立てて高鳴った。