導く月と花に誓う
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それからようやく授業も終わり、放課後となった。
「じゃー、また明日」
「うん」
あたし達はそう言葉を交わして、お互いに別々行動へ。
飛鳥と別れた後、あたしは朝通った道をひたすら歩く。
その時、ふいに神社が目にとまって、あたしはその前で立ち止まった。
ざわざわ、と爽やかに木々が揺れる。
まぁ、暇だし…
少し、涼んでいこうかな。
あたしは石段に腰掛け
ふわ…とあくびをしながら空を仰ぐ。
……平和だなー…
ふわりふわり、とオレンジ色に染まる空を流れていく雲は、すでに夏の香りを運んできている。
その時だった。
「――…千秋さま…」
ふいに、あたしの名前を呼ぶ声が聞こえた。