導く月と花に誓う
存在意義
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あの事件から数日。
「あー…暑い…」
…読者のみなさん。
こんにちは、黒瀬千秋です。
まだまだ、夏真っ盛りなわけで
自然とあたしは、ぐでん…となっている状態なのです。
――その時。
バッターンッと勢いよく扉が開き。
「ちっあきちゃーん!」
とてつもないテンションの高い声が、ここいっぱいに響き渡った。
そして、パタパタ、と走る足音が近づいてきて。
「遊びにきたわよ、千秋ちゃん!」
そう言いながら、あたし達のいるところへ入ってきた。
「はっ、まるで蒸し風呂だな」
うざっ
「雪華さまに鬼藍さま、
いらっしゃいませ」
ニッコリ笑いながら、狐燈は麦茶の入っているグラスを二人へ渡す。