導く月と花に誓う
雪華さんはまだしも、どうして鬼野郎まで…
しかも、さっさとくつろいでいるという有り様。
「暑い。」
「だったら帰ったらどうです?」
てか、帰れ。
あたしだって暑いんだ。
なんて、あたしの言葉に、鬼野郎はさも面白そうに笑う。
雪華さんは受け取った麦茶を飲みながら、見学。
ああ…、もう…
さらに暑くなった…。
はぁ…と、一気に脱力。
あたしの部屋には、クーラーもなければ扇風機すらない。
唯一涼む方法は窓から入ってくる、風のみ。
……ん?…まてよ…?
「…そういえば、雪華さん…
雪女なのに、大丈夫なんですか?」
「…ん?うん、平気平気。
人間と違って、あたし達は
体温の調整の臨機応変が可能なの」
「へぇ…、そうなんですか…」
それは、初耳…。
便利だな…。
…あれ…ってことは…