導く月と花に誓う
えええ…っ
いや、確かに…そんな感じは
…あるような…ないような…?
うむむ…、と考えるあたしを見て雪華さんは、クスリ、と笑う。
そして、ポツリ、ポツリ、と話し始めた。
「…あたし達妖怪にはね、
それぞれ合った、憑く場所とか
主人が存在するんだけど…
ある日、狐燈がその場所から
行方を眩ましたのよ…」
はぁ…と、軽いため息をついて雪華さんは目先で言い合っている二人に視線を向けた。
「…鬼藍だけは、探し続けたらしいんだけどね…」
…へぇ…
あの鬼野郎が…
「でも、あたしは知らなかった。
そんなことがあったのさえも、気づかなかった…。
鬼藍を探しに行った時、初めてそのことを知らされたの」
ふぅ、と息をついてグラスに入っている麦茶を一口飲んだ。
「それから、お互い単独で探して、
あたしはやっとここにたどり着いたってわけ。
でもね、あたしは詳しいことは聞いてなくて、消えた理由も鬼藍と喧嘩したのかとばかり思っていたの」
ええと…それじゃあ、つまり…。
失踪した狐燈を探しまわった結果、
ここに行き着いたってことでいいのかな…。
なんだかややこしい…。