導く月と花に誓う




…え?なんだって?

……契約?





疑問まみれのあたしに気づいたのか、雪華さんは、ゆっくり問いかけてきた。





「…もしかして、何も聞いてない?」


「はい、まったく」






もちろんきっぱり。





すると、雪華さんの表情はいかにも、あちゃーという感じ。





「…さっき、妖怪には憑く場所や主人が存在する、って言ったわよね?」



「……はい、…?」



「それは、あたし達の存在を
証明することができるから。

契約と呼ばれるものによって
あたし達は存在できるのよ」







……えええと…、つまり……?








「契約がなければ、いずれ消えてなくなってしまう。

狐燈の場合……そうね…
まったくの、契約が無ければ…、
あと、3日くらいだと思うわ。

あくまでも、契約がなければ、の話だからね」








・・・・・。






……すみません。

まったく、頭がついていきません。




…ん?ちょっと待って…

…もしかして、




たまに見た哀しそうな瞳をしていたのは……


もしかして、これ…?






ええええ…、いや…まさかまさか…



…絶対違うと思う。うん。






――……あたし、どうしろと…?












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