導く月と花に誓う
「貴方と出会えただけでも
私は、満足でございますので…」
…なら、どうして…
そんなに瞳を曇らすのだろう…
もう、こうなったら…
「…それじゃあ…、
あたしからお願いする。
…あたしと、契約して」
…う…
なんか言葉にすると余計、恥ずかしい…。
しかも、狐燈の方は面食らったような表情であたしを見ている。
わかってるよ。
穴があったら入りたい気分だよ。
すると、狐燈は澄んだ淡青の瞳を細めながらゆっくり、あたしに近づいてきた。
その双眸には、まっすぐあたしが映し出されている。
「…契約を交わすということは、その妖怪とは離れられない、ということになるんですよ?」
「…望むところよ」
「…後には引けなくなりますが…?」
あたしは、はっきりと頷いた。