導く月と花に誓う
孤独の狗(いぬ)
涼しい風が頬を撫でる。
「えーと…、こう、であるため
ここのXがこうなる…」
今、この教室内に充満しているのは、カッカッカッ、と黒板にあたるチョークの音と、教科書を見ながら説明する先生の声だけ。
…そうです。
あたしは今、補習中です。
と言っても、自由補習なんだけど…。
教室内にいるのは、あたしを含め8人。
それを、みんな偉いなー…
とか思いながら、ノートをとる。
教室はカリカリカリ、とシャーペンを走らせる音がしばらく響き…
それから数分後…。
チャイムの音とともに、みんなも脱力モードに入る。
「よし、今日はここまで。
おつかれさん。お前ら気をつけて帰れよー」
「あはは、先生もねー」
と、和気あいあいな言葉を交わし、みんなは帰り支度へと入る。