導く月と花に誓う
あたしも教科書を鞄に詰めていると。
「千秋ー、これから一緒にアイス食べにいかないー?」
「なんか駅前に新しく出来たらしいよ!」
と、前の席にいた子達が振り向いてきた。
「すごい魅力的なんだけど…
今日はやめておくよ」
「えー…!
わかった、また今度行こうね!」
そう言いながら、キャハハと笑う。
「うん、ごめんね」
「いいっていいって、じゃーね!」
と、手を振り交わし、あたしは教室を出た。
…で…。
教室内を出るとすぐに…。
「千秋さま、お疲れ様です」
そう発された声とともに、会釈する妖怪。
……は?
バッ、と周辺を高速で見渡し高速で、視線をそれに向ける。