導く月と花に誓う
「お願いだ。あいつを見つけてくれ」
拳を小刻みに震わせながらそう言った声も、微かに震えていた。
「…どうなさいますか?」
隣で狐燈が問い掛けてくる。
ああ、そっか。
今は見えないんだっけ…
「……当然です。
あたしの親友ですよ?」
「…ああ、サンキュ…」
それから、あたし達はお互いに連絡先を交換して、それぞれ探しに回った。
「……どう思う?」
「ええ、急に音信不通になるのは不可解ですね…」
「…だよね…。
あたし、ちょっと家に行ってみるよ」
「それでは、私にお任せください」
その言葉とともに、あたしの身体がまるで重力を無くしたかのように、ふわり、と宙に浮く。
「…あんたはその方法しかないわけ?」
「主に尽くすのが私の役目ですから」
……答えになってないんだけど。
そして、あたしを抱えながら彼は、ブワンッと空中へ舞い上がった。