導く月と花に誓う
「ど、どうしよう…」
ドン、ドン、とさっきよりも力を込めて叩いてみても反応はない。
しかも、より一層頭のくらくらは増していく。
「…ドアを壊すしか、
方法はないようですね…」
「……うん」
…もう、仕方ない…。
あたしがゆっくり頷くと、狐燈は少し後ろへ下がり、ドアを一気に蹴破った。
凄まじい音とともにもくもく…と立ち上る煙。
加えて、今までよりも頭のくらくらが一気に増す。
これ以上いたら、倒れそうだ。
やがて、視界が開けてその光景が鮮明になってきた。
部屋の真ん中には、倒れている飛鳥の姿。
その近くには……犬……?
「あれが、この妖気の正体です」
……え、犬がっ!?