導く月と花に誓う
まぁいいや。無視しとこう。
「狐燈、とりあえずあたしの家に
移動させるから手伝ってくれる?」
「お安いご用です」
そう返事をすると、スッと軽々と飛鳥を横抱きに抱えあげる。
そして、さっさと退散しようと部屋を出ようとした時。
「俺を無視すんじゃねえぇぇーーーっ!!!」
その叫び声とともに、ゴォ…という音が響いた。
うっさいなー…と、後ろを振り向いてびっくり仰天。
……えぇっ
そこには黒い髪の毛に、茶色の瞳を鋭く光らせる少年がいた。
「……どちら様で…?」
てか、さっきの犬の姿がキレイになくなっている。
…あぁ…、まさかってヤツ…?